狼の月灯りランタン
布団へ帰る前の灯り
54thHALLの照明が落ちたあと、景品棚の下で薄青い欠片が震えていた。
ひとつ拾うと、少し離れた場所でもうひとつが光った。指先で同じ色をつなぐたび、欠片は小さな音を立て、閉店後の通路を月色に染めていった。
最後の光が重なった時、欠片は持ち手のついたランタンへ戻った。銀青色の枠の内側で、丸い灯りがゆっくり呼吸している。
持ち主の狼は、布団へ帰りかけたところで振り返った。
「それ、消すなよ。戻る場所が分からなくなる」
それから閉店後の54thHALLでは、誰かが帰り着くまで、月色の灯りがひとつだけ残されるようになった。
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